英語の音いろ

映画、TVドラマ、洋書などの英語を、文法や構文そしてニュアンスの視点から解説します。

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オスカー・ワイルドの小説『ドリアン・グレイの肖像』から。


The Picture of Dorian Gray (Penguin Classics)
Wilde, Oscar
Penguin Classics
2003-02-01



以下は、貴族の青年であるドリアン・グレイが、退廃的な考えに染まりながらも、社交界においては貴族としての振る舞いを保っていた様子を描く文章の一部です。he はドリアンを指しています。




Once or twice every month during the winter, [...], he would throw open to the world his beautiful house and have the most celebrated musicians of the day to charm his guests with the wonders of their art.  

Oscar Wilde, The Picture of Dorian Gray, p. 125


<解説>







Once or twice every month during the winter, [...], he would throw open to the world his beautiful house and have the most celebrated musicians of the day to charm his guests with the wonders of their art.

would は「過去の習慣」を表す用法です。

throw open to the world his beautiful house においては、open to the world がC、his beautiful house がO。これは、throw O C(OをCの状態にする)のOとCを入れ替えたものです。

「冬には月に1、2回、彼は自分の美しい家を皆に開放し、当代随一の音楽家を招き、彼らの演奏の素晴らしさでゲストを酔わせるのだった」


オスカー・ワイルドの小説『ドリアン・グレイの肖像』から。


The Picture of Dorian Gray (Penguin Classics)
Wilde, Oscar
Penguin Classics
2003-02-01



以下は、登場人物の1人が、自分が行かなかった昼食会で何が起こったかを推量する一節です。その昼食会は貴族の集まりです。thrift は「質素倹約」、the idle は「有閑階級の人々」。




The rich would have spoken on the value of thrift, and the idle grown eloquent over the dignity of labour.  

Oscar Wilde, The Picture of Dorian Gray, p. 16


解説>







The rich would have spoken on the value of thrift, 

「would have + 過去分詞」(~しただろう)は、「もし仮にあの時~だったら」という仮定を受けて、架空の過去を推量するのに使われる用法を高校で習いますが、実際には「架空の過去」だけでなく、「実際に過去に起きたであろうこと」を推量するのにも使われます。

「金持ちは質素倹約の大切さについて話しただろう」


The rich would have spoken on the value of thrift, and the idle grown eloquent over the dignity of labour.

the idle と grown の間には、次のように would have が省略されています。

The rich would have spoken on the value of thrift, and the idle (would have) grown eloquent over the dignity of labour.

A and B で、上の例のように A と B に同じ構造を持つ文が入るとき、くどくなるのを避けるために、共通する部分を B から取り除くことがよくあります。このような省略は、「共通関係の省略」と呼ばれたりします。

「grow + 形容詞」は第2文型(VC)で「~な状態になる」という意味です。over ~ はここでは「~について」。

金持ちは質素倹約の大切さについて話しただろうし、(働かなくても生きていける)有閑階級の人間は、労働というものが持つ尊厳について雄弁に語りだしただろう」



今回は英英辞典の例文から。



(普通に単語を調べるだけであればオンラインで無料で使えます)


通常、「A and B」という形では、AとBには「動詞と動詞」「名詞と名詞」「文と文」など対等のものが入りますが、例外もあります。

① 



Only a year ago and this would have seemed impossible.  

(Oxford Advanced Learner's Dictionary)


② 


One look at his face and Jenny stopped laughing.

(Oxford Advanced Learner's Dictionary)


解説>









Only a year ago and this would have seemed impossible.

この文においては、Only a year ago and はこれだけで「わずか1年前であったとしても」という意味を表します。そして、この仮定を受けて would が使われています。

「たった1年前であったとしても、このようなことは不可能だと思われただろう」
(この1年で急速に技術が進んだ/事態が進展した、など)

Only a year ago and だけで、仮定法大過去を含む if 節(if S had + 過去分詞)と同等の働きをしていると言えます。仮定法を含む if 節や、それと同等の仮定を受けると、主節には助動詞の過去形が使われます。




One look at his face and Jenny stopped laughing.

One look at his face and だけで、「彼の顔を一目見るなり」という意味を表します。

彼の顔を一目見るなり、ジェニーは笑うのをやめた

One look at ~ and も割とよくある表現です。


ミスター・ビーンで知られるローワン・アトキンソン主演のコメディ映画『ジョニー・イングリッシュ』から。


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ローワン・アトキンソン
KADOKAWA / 角川書店
2018-08-24



以下は、イギリスの情報部に久しぶりに復帰した主人公イングリッシュが、上司の秘書の机の上に置いてあるペンを見て、秘書に言うセリフです。




Oh, reminds me of the old service issue ballpoint. I remember every agent would carry a pen that looked just like this.

Johnny English, (00:07:22)



解説>







Oh, reminds me of the old service issue ballpoint.

主語が省略されていますが、主語は秘書の机の上に置かれているペン。

「(このペンを見ると)昔情報部の支給品だったボールペンを思い出す」


I remember every agent would carry a pen that looked just like this.

この would は「過去の習慣」を表す用法です。

「情報部員は皆、これにそっくりのペンをいつも身に着けていたものだ」




ミスター・ビーンで知られるローワン・アトキンソン主演のコメディ映画『ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬』から。


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ジェネオン・ユニバーサル
2012-12-05



以下は、イギリスのスパイである主人公イングリッシュと、その部下であるタッカーとの会話です。タッカーは Ambrose という男の正体に気づき、イングリッシュに知らせますが、イングリッシュは Ambrose を信頼していてタッカーの言うことに耳を貸しませんでした。しかし、後になってタッカーが正しかったと気づきます。





English: We were right about Ambrose.

Tucker:  What do you mean "we"?
              You wouldn't listen, would you?

Johnny English Reborn, (01:06:45)



解説>







English: We were right about Ambrose.

「Ambrose についての我々の考えは正しかった」


Tucker:  What do you mean "we"? You wouldn't listen, would you?

would は様々な意味で使われますが、wouldn't には「過去のある時点における拒否の意思」を表す用法があり、上の wouldn't はこの使い方です。

「『我々』ってどういうことですか? あなたは私の言うことを聞こうとしてくれなかったじゃないですか」

この would の使い方は否定文でのみ可能です。肯定文で主節の動詞に would を使って「過去の特定の時点における意思」を表すことはできません。


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