イギリスのサッカー選手ウェイン・ルーニーがプレミアリーグでの10年を振り返る本『Wayne Rooney: My Decade in the Premier League』から。
Wayne Rooney
HarperCollins Publishers
2012-09-01
ルーニーは試合で怒って物に当たり散らしたりする姿がよく取り上げられるため、普段も暴力的な人間なのではないかと思われてしまうそうで、以下は、近所のスーパーで奥さんと子供と普通に買い物をしていると、周りにいる客に驚かれてしまうことを嘆いている文章です。
文頭の they は、周りにいる買い物客のことです。kit は「装備一式」、shinpads は「すね当て」、in a massive strop は「激怒して当たり散らして」。
文頭の they は、周りにいる買い物客のことです。kit は「装備一式」、shinpads は「すね当て」、in a massive strop は「激怒して当たり散らして」。
[...] they stare at me with their jaws open, like I should be in my kit, shinpads and boots, arguing with the bloke collecting the trollies, or kicking down a stack of toilet rolls in a massive strop.
These are much cheaper down the road!
I'm not like that though.
Wayne Rooney: My Decade in the Premier League, ペーパーバック版 p. 30
(斜体と最後の2行の改行は原文の通りです)
<解説>
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they stare at me with their jaws open の with は付帯状況の with。
「周りの人は驚いて口を開けて私を見つめる」
like I should be in my kit, shinpads and boots, arguing with the bloke collecting the trollies, or kicking down a stack of toilet rolls in a massive strop.
like はここでは as if と同じです。
should には「べき」と「はず」の2つの意味がありますが、ここでは無理にどちらかに決める必要はないと思います。
my kit, shinpads and boots の and が何を結んでいるかですが、shinpads(すね当て)と boots(スパイク)は kit(装備一式)に含まれることも踏まえて、3つを並列しているのではなく、shinpads と boots の2つを並列していると捉えるとよいでしょう。こちらの記事も参考になるかもしれません。
be in my kit, shinpads and boots は、「試合をするときの装備で、それも、すね当てとスパイクを含めたフル装備で」。
arguing ~ と kicking ~ は分詞構文です。
like I should be in my kit, shinpads and boots, arguing with the bloke collecting the trollies, or kicking down a stack of toilet rolls in a massive strop.
「試合をするときの格好で、それも、すね当てとスパイクまで含めたフル装備で、カートを回収している店員と口論していたり、積み上げられたトイレットペーパーを激怒して蹴り崩したりしているのが、まるで私の本来の姿であるかのように(周りの客は、ごく普通におとなしく買い物をしている私を驚いて見つめる)」
These are much cheaper down the road! はトイレットペーパーを蹴りながら言う想像上のセリフ。 down the road は「同じ通りのもっと先(にある店)では」という意味です。
「向こうの店ではトイレットペーパーをもっとずっと安く売っているじゃないか!」
I'm not like that though. は「でも、私はそんな人ではない」。
この後に、「自分は初対面では、もの静かで shy だ」という文が続きます。