英語の音いろ

映画、TVドラマ、洋書などの英語を、文法や構文そしてニュアンスの視点から解説します。

タグ:should


前回に引き続き、concerning which を含む素材です。

① イギリスの Strathclyde 大学のウェブサイトから。大学の危機管理についての一節です。



The University has a variety of equipment, materials and substances concerning which the UK Government has issued specific guidance.  

https://www.strath.ac.uk/safetyservices/specialisthealthsafety/



② イギリスの Loughborough 大学のウェブサイトから。以下は、学生からの相談や苦情を受け付ける手続きについて書かれた文章の一部です。



Should there be any doubt concerning which procedure applies in an individual case, the Academic Registrar shall advise.

https://www.lboro.ac.uk/governance/ordinances/38/current/



解説>









The University has a variety of equipment, materials and substances concerning which the UK Government has issued specific guidance.


which は a variety of equipment, materials and substances を先行詞とする関係代名詞で、自身がまとめる形容詞節の内部では、concerning という前置詞の目的語として働いています。concerning ~ で「~に関して/~に関する」。関係代名詞の節が始まるのは which からではなく、concerning から。元になっているのは、

The UK Government has issued specific guidance concerning ~ .
(イギリス政府は~について明確な手順を定めている)


という文です。

この現在完了は「手順を定めた結果、現在、手順が定められている(だから、それに従わなければならない)」という意味を表す結果の用法です。


The University has a variety of equipment, materials and substances ←[concerning which    the UK Government has issued specific guidance].

「扱い方に関してイギリス政府が明確な手順を定めている各種の機器、マテリアル、化学物質を当大学では保有しています





Should there be any doubt concerning which procedure applies in an individual case, the Academic Registrar shall advise.

「should S ~」で「if S should ~」(Sが~した場合には)と同内容を表すことができます。「should S ~」の方が硬い表現。There is 構文の There は実際には主語ではありませんが、語順の上では主語と同じように扱われます。

which は①の場合と異なり、関係代名詞ではなく疑問詞で、concerning という前置詞の目的語となる名詞節

which procedure applies in an individual case
(個々のケースにおいて、どの手順が適用されるのか)

をまとめています。この名詞節の内部では、which は「どの」という意味で procedure を修飾しています。


Should there be any doubt ←[concerning    which procedure applies in an individual case],

個々のケースにおいてどの手順が適用されるのかについて疑問がある場合には


the Academic Registrar shall advise.

shall はここでは will とほぼ同じです。

「手続きの担当職員がアドバイスします」



イギリスのサッカー選手ウェイン・ルーニーがプレミアリーグでの10年を振り返る本『Wayne Rooney: My Decade in the Premier League』から。


Wayne Rooney: My Decade in the Premier League
Wayne Rooney
HarperCollins Publishers
2012-09-01



ルーニーは試合で怒って物に当たり散らしたりする姿がよく取り上げられるため、普段も暴力的な人間なのではないかと思われてしまうそうで、以下は、近所のスーパーで奥さんと子供と普通に買い物をしていると、周りにいる客に驚かれてしまうことを嘆いている文章です。

文頭の they は、周りにいる買い物客のことです。kit は「装備一式」、shinpads は「すね当て」、in a massive strop は「激怒して当たり散らして」。



[...] they stare at me with their jaws open, like I should be in my kit, shinpads and boots, arguing with the bloke collecting the trollies, or kicking down a stack of toilet rolls in a massive strop.
  These are much cheaper down the road!
  I'm not like that though.

Wayne Rooney: My Decade in the Premier League, ペーパーバック版 p. 30
(斜体と最後の2行の改行は原文の通りです)



<解説>







they stare at me with their jaws open の with は付帯状況の with。

「周りの人は驚いて口を開けて私を見つめる」


like I should be in my kit, shinpads and boots, arguing with the bloke collecting the trollies, or kicking down a stack of toilet rolls in a massive strop.

like はここでは as if と同じです。

should には「べき」と「はず」の2つの意味がありますが、ここでは無理にどちらかに決める必要はないと思います。

my kit, shinpads and boots の and が何を結んでいるかですが、shinpads(すね当て)と boots(スパイク)は kit(装備一式)に含まれることも踏まえて、3つを並列しているのではなく、shinpads と boots の2つを並列していると捉えるとよいでしょう。こちらの記事も参考になるかもしれません。

be in my kit, shinpads and boots は、「試合をするときの装備で、それも、すね当てとスパイクを含めたフル装備で」。

arguing ~ と kicking ~ は分詞構文です。


like I should be in my kit, shinpads and boots, arguing with the bloke collecting the trollies, or kicking down a stack of toilet rolls in a massive strop.

試合をするときの格好で、それも、すね当てとスパイクまで含めたフル装備で、カートを回収している店員と口論していたり、積み上げられたトイレットペーパーを激怒して蹴り崩したりしているのが、まるで私の本来の姿であるかのように(周りの客は、ごく普通におとなしく買い物をしている私を驚いて見つめる)


These are much cheaper down the road! はトイレットペーパーを蹴りながら言う想像上のセリフ。 down the road は「同じ通りのもっと先(にある店)では」という意味です。

「向こうの店ではトイレットペーパーをもっとずっと安く売っているじゃないか!」


I'm not like that though. は「でも、私はそんな人ではない」。

この後に、「自分は初対面では、もの静かで shy だ」という文が続きます。



ミッション:インポッシブル』第1作目から。





以下は主人公 Ethan が所属する部隊 (IM force) のリーダーである Jim に宛てられた、動画メッセージの一部です。Golitsyn という人物が重要なデータを盗みにくるはずだから、その窃盗の証拠となる写真を撮れ、という任務を指示するメッセージです。



Your mission, Jim, should you choose to accept it, is to obtain photographic proof of the theft, shadow Golitsyn to his buyer and apprehend them both. [...] As always, should you or any member of your IM force be caught or killed, the Secretary will disavow all knowledge of your actions. 

Mission Impossible  (00:05:25)


<解説>







Your mission, Jim, should you choose to accept it, is to obtain photographic proof of the theft, shadow Golitsyn to his buyer and apprehend them both. [...] As always, should you or any member of your IM force be caught or killed, the Secretary will disavow all knowledge of your actions.

if S should ~ で「もし(万が一)S が~したら」という意味になりますが、これと同じ意味を、

should S ~

で表すことができます(意味は同じですが、あらたまった表現です)。上の should you ~ はこの用法。

「ジム、君たちの任務は ー もし君がこの任務を引き受けるとすればの話だが ー その窃盗の証拠となる写真を撮り、Golitsyn を尾行し、彼とデータの買い手の両方を逮捕することだ。[...] いつもと同様、もし万が一、君や君のチームの誰かが捕まったり殺されたりしたら、君たちの行動への一切の関与を長官は否認する」


↑このページのトップヘ