イギリスの文学批評家、文化理論家テリー・イーグルトンによる After Theory(2003年)から。
古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、「人間として存在する」ということは、たゆまぬ訓練によって初めて成し得るものだと考えたそうです。以下は、アリストテレスのこの考えについての著者の文章の一部です。
Aristotle はアリストテレス、Thomas Aquinas は13世紀イタリアの神学者トマス・アクィナス、Sigmund Freud は19世紀にオーストリアで精神分析を創設したフロイトです。mortician は「葬儀を行う業者」。
Aristotle はアリストテレス、Thomas Aquinas は13世紀イタリアの神学者トマス・アクィナス、Sigmund Freud は19世紀にオーストリアで精神分析を創設したフロイトです。mortician は「葬儀を行う業者」。
For Aristotle, being human was in a sense a technical affair, as was love for Thomas Aquinas, desire for Sigmund Freud, and as death is for a mortician.
Terry Eagleton, After Theory, p. 78
<解説>
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For Aristotle, being human was in a sense a technical affair, as was love for Thomas Aquinas, desire for Sigmund Freud, and as death is for a mortician.
「アリストテレスにとって、人間として存在するということは、ある意味で技術的な事柄に属した。トマス・アクィナスにとって愛が、フロイトにとって欲望がそうであったように。そして葬儀を行う業者にとって死がそうであるように」
as was love for Thomas Aquinas, desire for Sigmund Freud,
and
as death is for a mortician
as は「ように」という意味ですが、in a sense a technical affair を先行詞とする関係代名詞のような役割を果たしていて、自身がまとめる節の内部では be動詞の補語(C)として働いています。
2つの as の役割は全く同じですが、
as death is for a mortician は CSV、
as was love for Thomas Aquinas, desire for Sigmund Freud は CVS
という語順になっています。as や than の後ろではこのような倒置がよく起こります。ちなみに、
He was showing off, as is the way with adolescent boys.
(Oxford Advanced Learner's Dictionary)
「彼は自分を誇示していた。思春期の少年にありがちなように」
のような文では、as は主格の関係代名詞のように働いていて、
as is the way with adolescent boys は SVC
という語順になっています。