オスカー・ワイルドの小説『ドリアン・グレイの肖像』から。
青年ドリアンは、新しく友人となった Lord Henry の影響を受けて純粋さを失っていきますが、Lord Henry から借りた小説を読んだことがきっかけで、さらに退廃的な生活を送るようになります。以下は、その小説についての1文です。
it はその小説を指しています。jewelled は「宝石を散りばめたような」、obscure は「ぼんやりとした」、argot は「隠語」、archaism は「古語」、school は「流派」、Symbolistes は「象徴主義の芸術家」。
The style in which it was written was that curious jewelled style, vivid and obscure at once, full of argot and archaisms, of technical expressions and of elaborate paraphrases, that characterizes the work of some of the finest artists of the French school of Symbolistes.
Oscar Wilde, The Picture of Dorian Gray, p. 121
<解説>
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The style in which it was written was that curious jewelled style, vivd and obscure at once, ful of argot and archaisms, of technical expressions and of elaborate paraphrases, that characterizes the work of some of the finest artists of the French school of Symbolistes.
that curious jewelled style の that は、curious jewelled style が後ろから関係代名詞の節などで修飾されることを示しています。関係代名詞が出てくることを予測しながら読み進めて that characterizes ~ を見つけます。
vivid and obscure at once と full of ~ はともに style を後ろから修飾しています。at once はここでは「同時に」。
「その本の文体は、フランス象徴主義の最も優れた芸術家の何人かの作品を特徴づける、宝石を散りばめたような興味深い文体で、鮮やかでありながら同時にぼんやりとし、隠語や古語、そして技術用語と凝った言い換えが多用されていた」