イギリスの文学批評家、文化理論家テリー・イーグルトンによる After Theory(2003年)から。
以下は、1960年代と1970年代の文化理論・文学理論の特徴を説明する文章の一部です。it はこの時代の文化理論・文学理論を指しています。
On the whole, it valued what could not be thought more highly than what could.
Terry Eagleton, After Theory, p. 71
<解説>
↓
↓
↓
↓
↓
On the whole, it valued what could not be thought more highly than what could.
cannot + more ~ で最上級の意味を表す用法があったり、think highly of ~(~を高く評価する)というフレーズがあったりして紛らわしいのですが、この文の more highly は valued を修飾しています。
it valued A more highly than B で「それはBよりもAを高く評価した」。
could と過去形が使われているのは時制の一致。文末には be thought が省略されています。
「全体としてこれらの文化理論・文学理論は、人間の思考で捉えることができるものよりも、人間の思考では捉えられないものに、より価値を見出した」