英語の音いろ

映画、TVドラマ、洋書などの英語を、文法や構文そしてニュアンスの視点から解説します。

タグ:分詞構文として働く形容詞


オスカー・ワイルドの小説『ドリアン・グレイの肖像』から。


The Picture of Dorian Gray (Penguin Classics)
Wilde, Oscar
Penguin Classics
2003-02-01



以下は、画家が青年ドリアン・グレイの肖像画を描いている場面の一節です。lad は「少年/青年」を意味するややインフォーマルな語。the lad とはドリアンのことです。




'Just turn your head a little more to the right, Dorian, [...],' said the painter, deep in his work, and conscious only that a look had come into the lad's face that he had never seen there before.  

Oscar Wilde, The Picture of Dorian Gray, p. 21


解説>







'Just turn your head a little more to the right, Dorian, [...],' said the painter, deep in his work, and conscious only that a look had come into the lad's face that he had never seen there before.

deep と conscious は共に形容詞ですが、ここでは分詞構文と同等の働きをしています。分詞だけでなく、形容詞や名詞も分詞構文と同じように働くことができます。

conscious that S V で「SVということに気づいている」。

that he had never ~ の that は look を先行詞とする関係代名詞です。

「画家は描くことに没頭して、ただ、それまでに見たことのない表情がドリアンの顔をかすめたことにのみ気づいて、『ドリアン、頭をもうちょっと右に向けてくれないか?』と言った」
 


世界各地のワインの銘柄の中から25ドル以下で買える優れたワインを紹介する Parker's Wine Bargains(邦題『ワインの帝王ロバート・パーカーが薦める世界のベスト・バリューワイン』)(2009年)から。




以下は、フランスのロワール川流域で作られるワインを紹介する章の冒頭部分です。teem with ~ で「~でいっぱいである」、vine は「ブドウの木」。



The valley of the Loire River is the bargain garden of France. For more than half of its 700 miles, slopes within 20 miles of the river's shores teem with vines, some indigenous, most introduced down the centuries from all over the rest of France. 

Parker's Wine Bargains: The World's Best Wine Values Under $25, p. 197


解説>







The valley of the Loire River is the bargain garden of France. For more than half of its 700 miles, slopes within 20 miles of the river's shores teem with vines, some indigenous, most introduced down the centuries from all over the rest of France.

some indigenous, の手前までは、
「フランスでは、ロワール川流域が安くて質の高いワインの宝庫だ。ロワール川の全長は700マイルだが、その半分以上の流域にわたって、川の両側20マイルの斜面一帯に、ブドウの木が所狭しと植えられている」

some indigenous, 以降の部分がよく分からない場合は、some と most が対比されていることに注意して、some と most の品詞を考えてみてください。







some indigenous の indigenous は形容詞ですが、ここでは分詞構文と同等の働きをしています(分詞だけでなく、形容詞や名詞も分詞構文になることができます)。some はここでは名詞で、分詞構文である indigenous の主語として働いています。some indigenous は独立分詞構文(主語付きの分詞構文)です。

「一部は在来種だが」

most introduced ~ の部分も独立分詞構文です。most がやはり名詞として働いていて分詞構文の主語、introduced ~ の部分が分詞構文になっています。

「ほとんどは、何世紀にもわたってフランスの各地から持ってこられた品種である」

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