オスカー・ワイルドの小説『ドリアン・グレイの肖像』から。
以下は、画家が青年ドリアン・グレイの肖像画を描いている場面の一節です。lad は「少年/青年」を意味するややインフォーマルな語。the lad とはドリアンのことです。
'Just turn your head a little more to the right, Dorian, [...],' said the painter, deep in his work, and conscious only that a look had come into the lad's face that he had never seen there before.
Oscar Wilde, The Picture of Dorian Gray, p. 21
<解説>
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'Just turn your head a little more to the right, Dorian, [...],' said the painter, deep in his work, and conscious only that a look had come into the lad's face that he had never seen there before.
deep と conscious は共に形容詞ですが、ここでは分詞構文と同等の働きをしています。分詞だけでなく、形容詞や名詞も分詞構文と同じように働くことができます。
conscious that S V で「SVということに気づいている」。
that he had never ~ の that は look を先行詞とする関係代名詞です。
「画家は描くことに没頭して、ただ、それまでに見たことのない表情がドリアンの顔をかすめたことにのみ気づいて、『ドリアン、頭をもうちょっと右に向けてくれないか?』と言った」