世界各地のワインの銘柄の中から25ドル以下で買える優れたワインを紹介する Parker's Wine Bargains から。日本でもワインの良し悪しの尺度として用いられることの多い「パーカーポイント」と呼ばれる点数をつけている Robert M. Parker の他、複数のワイン評論家によって書かれています。

日本語版も「ワインの帝王ロバート・パーカーが薦める世界のベスト・バリューワイン」というタイトルで出ています。




以下は、オーストリアのワインを紹介する章の一節で、首都ウィーン周辺の地域を説明したすぐ後に続く文です。



South along the entire length of the Hungarian frontier lies Burgenland [...] , whose climate is influenced by the juxtaposition of hills and the Pannonian Plain, as well as by a single, geographically anomalous, broad and shallow lake, near whose shores are grown most of Austria's important nobly sweet wines.

Parker's Wine Bargains: The World's Best Wine Values Under $25, p. 56



解説>







South along the entire length of the Hungarian frontier lies Burgenland [...] , whose climate is influenced by the juxtaposition of hills and the Pannonian Plain, as well as by a single, geographically anomalous, broad and shallow lake, near whose shores are grown most of Austria's important nobly sweet wines.

主節である先頭部分は M V S の倒置文です(M は副詞的に働く部分です)。

「そしてウィーンの南側、ハンガリーとの国境沿いには Burgenland 州が位置している。Burgenland 州の気候は、丘陵地帯と Pannonian 平原の隣接、そして、地学的には例外的な広くて浅い単体の湖によって影響されている

最後の

near whose shores are grown most of Austria's important nobly sweet wines.

の部分の構造と意味がよく分からない場合は、まず関係代名詞 whose の節がどこから始まるのか、そして are の主語は何なのかを考えてみてください。







near whose shores are grown most of Austria's important nobly sweet wines.

関係代名詞 whose の節は near から始まっています。near は前置詞として、whose shore は前置詞の目的語として働いていて、near whose shores で「その湖の沿岸部では」という意味になります。

この文は「副詞句+be動詞+過去分詞+主語」という、受動態の倒置文で、

most of Austria's important nobly sweet wines

の部分が are の主語になっています。複数存在する受動態の文の倒置パターンの1つです。

その湖の沿岸部では、気品のある甘さのオーストリアワインのうち、主要なもののほとんどが作られている」