世界各地のワインの銘柄の中から25ドル以下で買える優れたワインを紹介する Parker's Wine Bargains から。日本でもワインの良し悪しの尺度として用いられることの多い「パーカーポイント」と呼ばれる点数をつけている Robert M. Parker の他、複数のワイン評論家によって書かれています。
日本語版も「ワインの帝王ロバート・パーカーが薦める世界のベスト・バリューワイン」というタイトルで出ています。
Robert M. Parker
Simon & Schuster
2009-11-03
以下は、オーストリアのワインを紹介する章の一節で、首都ウィーン周辺の地域を説明したすぐ後に続く文です。
South along the entire length of the Hungarian frontier lies Burgenland [...] , whose climate is influenced by the juxtaposition of hills and the Pannonian Plain, as well as by a single, geographically anomalous, broad and shallow lake, near whose shores are grown most of Austria's important nobly sweet wines.
Parker's Wine Bargains: The World's Best Wine Values Under $25, p. 56
<解説>
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South along the entire length of the Hungarian frontier lies Burgenland [...] , whose climate is influenced by the juxtaposition of hills and the Pannonian Plain, as well as by a single, geographically anomalous, broad and shallow lake, near whose shores are grown most of Austria's important nobly sweet wines.
主節である先頭部分は M V S の倒置文です(M は副詞的に働く部分です)。
「そしてウィーンの南側、ハンガリーとの国境沿いには Burgenland 州が位置している。Burgenland 州の気候は、丘陵地帯と Pannonian 平原の隣接、そして、地学的には例外的な広くて浅い単体の湖によって影響されている」
最後の
near whose shores are grown most of Austria's important nobly sweet wines.
の部分の構造と意味がよく分からない場合は、まず関係代名詞 whose の節がどこから始まるのか、そして are の主語は何なのかを考えてみてください。
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near whose shores are grown most of Austria's important nobly sweet wines.
関係代名詞 whose の節は near から始まっています。near は前置詞として、whose shore は前置詞の目的語として働いていて、near whose shores で「その湖の沿岸部では」という意味になります。
この文は「副詞句+be動詞+過去分詞+主語」という、受動態の倒置文で、
most of Austria's important nobly sweet wines
の部分が are の主語になっています。複数存在する受動態の文の倒置パターンの1つです。
「その湖の沿岸部では、気品のある甘さのオーストリアワインのうち、主要なもののほとんどが作られている」