英語の音いろ

映画、TVドラマ、洋書などの英語を、文法や構文そしてニュアンスの視点から解説します。

カテゴリ: ウェブサイト


ワインに関する多彩な情報を掲載しているウェブサイト VIOUS: Explore All Things Wine から。





今回は、このサイトの「Explore All Things Wine」というタイトルについて。

thing には少し例外的な使い方があり、「all things + 形容詞」で「~的なもの全て」という意味になります。ちょっと古風な感じのするフレーズです。

She loves all things Japanese.
(Oxford Advanced Learner's Dictionary)

「彼女は日本的なものなら何でも大好きだ」
(古風な感じを表現できていないので、あまり良い訳ではありません)

タイトルの All Things Wine もこの用法です。新しい雰囲気のウェブサイトのタイトルにやや古めかしい all things ~ というフレーズが使われている点、そして、本来であれば形容詞が入る「~」の部分に wine という名詞が使われている、つまり wine を形容詞のように扱っている点が、このタイトルのちょっと面白いところです。



ワインに関する多彩な情報を掲載しているウェブサイト VIOUS: Explore All Things Wine から。





以下は、ドイツで2018年初頭に雨が多かったことを受けての記述です。vine は「ブドウの木」。



That wetness was to prove an enormous blessing in view of what followed, because even in traditionally dry sites, enough water accumulated deep down to last most vines through the growing season.  

https://vinous.com/articles/germany-2018-the-nahe-leading-by-a-nose-jun-2020


解説>







That wetness was to prove an enormous blessing in view of what followed,

「be + to不定詞」は、事前に決められていたことを表すのによく使われますが、この was to ~ は「~することになるのだった」という意味で、実際には後からしか分かり得なかったことを、物語やドキュメンタリーなどのナレーターの視点から読み手/聞き手に伝える用法です。

prove C で「Cであると判明する」、in view of ~ で「~を考慮すると」。


「後のことを考えると、この雨の多さは非常に大きな恵みだった」


because even in traditionally dry sites, enough water accumulated deep down to last most vines through the growing season.

to last ~ は「~するために」という目的を表す不定詞ではなく、enough と関連する不定詞。enough は不定詞を伴って「~するのに十分」という意味を表します。

この last は「(ある一定の期間)Oをもたせる」という他動詞の用法です。

「というのは、昔から乾燥しがちな土地においてさえ、ブドウが成長する間ほとんどのブドウの木をもたせるのに十分な水が地下に蓄積されたからである」


前回に引き続き、concerning which を含む素材です。

① イギリスの Strathclyde 大学のウェブサイトから。大学の危機管理についての一節です。



The University has a variety of equipment, materials and substances concerning which the UK Government has issued specific guidance.  

https://www.strath.ac.uk/safetyservices/specialisthealthsafety/



② イギリスの Loughborough 大学のウェブサイトから。以下は、学生からの相談や苦情を受け付ける手続きについて書かれた文章の一部です。



Should there be any doubt concerning which procedure applies in an individual case, the Academic Registrar shall advise.

https://www.lboro.ac.uk/governance/ordinances/38/current/



解説>









The University has a variety of equipment, materials and substances concerning which the UK Government has issued specific guidance.


which は a variety of equipment, materials and substances を先行詞とする関係代名詞で、自身がまとめる形容詞節の内部では、concerning という前置詞の目的語として働いています。concerning ~ で「~に関して/~に関する」。関係代名詞の節が始まるのは which からではなく、concerning から。元になっているのは、

The UK Government has issued specific guidance concerning ~ .
(イギリス政府は~について明確な手順を定めている)


という文です。

この現在完了は「手順を定めた結果、現在、手順が定められている(だから、それに従わなければならない)」という意味を表す結果の用法です。


The University has a variety of equipment, materials and substances ←[concerning which    the UK Government has issued specific guidance].

「扱い方に関してイギリス政府が明確な手順を定めている各種の機器、マテリアル、化学物質を当大学では保有しています





Should there be any doubt concerning which procedure applies in an individual case, the Academic Registrar shall advise.

「should S ~」で「if S should ~」(Sが~した場合には)と同内容を表すことができます。「should S ~」の方が硬い表現。There is 構文の There は実際には主語ではありませんが、語順の上では主語と同じように扱われます。

which は①の場合と異なり、関係代名詞ではなく疑問詞で、concerning という前置詞の目的語となる名詞節

which procedure applies in an individual case
(個々のケースにおいて、どの手順が適用されるのか)

をまとめています。この名詞節の内部では、which は「どの」という意味で procedure を修飾しています。


Should there be any doubt ←[concerning    which procedure applies in an individual case],

個々のケースにおいてどの手順が適用されるのかについて疑問がある場合には


the Academic Registrar shall advise.

shall はここでは will とほぼ同じです。

「手続きの担当職員がアドバイスします」


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