英語の音いろ

映画、TVドラマ、洋書などの英語を、文法や構文そしてニュアンスの視点から解説します。

カテゴリ: 英英辞典


今回は英英辞典から「be + to不定詞」を含む例文を紹介します。



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① 



She was to be here at 8.30 but she didn't arrive.  

(Oxford Advanced Learner's Dictionary)


② 


He was to regret that decision for the rest of his life.

(Oxford Advanced Learner's Dictionary)


解説>









She was to be here at 8.30 but she didn't arrive.

この「be + to不定詞」は「~することになっている」という一般的な使い方。事前に決められていたことを表しています。

「彼女は8:30にここに来ることになっていたが、来なかった」




He was to regret that decision for the rest of his life.

①と同じ was to ~ が使われていますが、こちらは少し違う意味で、事前に決められていたことを表しているわけではありません。実際には後からしか分かり得ないことを、物語などのナレーターの視点から読み手/聞き手に伝える用法です。

「彼は、その決断を一生後悔することになるのだった」



今回は英英辞典の例文から。



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通常、「A and B」という形では、AとBには「動詞と動詞」「名詞と名詞」「文と文」など対等のものが入りますが、例外もあります。

① 



Only a year ago and this would have seemed impossible.  

(Oxford Advanced Learner's Dictionary)


② 


One look at his face and Jenny stopped laughing.

(Oxford Advanced Learner's Dictionary)


解説>









Only a year ago and this would have seemed impossible.

この文においては、Only a year ago and はこれだけで「わずか1年前であったとしても」という意味を表します。そして、この仮定を受けて would が使われています。

「たった1年前であったとしても、このようなことは不可能だと思われただろう」
(この1年で急速に技術が進んだ/事態が進展した、など)

Only a year ago and だけで、仮定法大過去を含む if 節(if S had + 過去分詞)と同等の働きをしていると言えます。仮定法を含む if 節や、それと同等の仮定を受けると、主節には助動詞の過去形が使われます。




One look at his face and Jenny stopped laughing.

One look at his face and だけで、「彼の顔を一目見るなり」という意味を表します。

彼の顔を一目見るなり、ジェニーは笑うのをやめた

One look at ~ and も割とよくある表現です。


今回は英英辞典とウェブサイトから。以下の2つの抜粋には、どちらにも concerning which という語句が含まれています。which の役割に注意して意味を考えてみてください。

① Merriam-Webster英英辞典の subject という単語の項目から。



見出し語:subject

定義3 d (1):something concerning which something is said or done

例:the subject of the essay  

https://www.merriam-webster.com/dictionary/subject



② 博士課程を目指す学生に奨学金を授与するイギリスの団体のウェブサイトから。
studentship は「(選考に合格した大学院生に与えられる)奨学金」。



Our studentship competition has been designed to be as open and transparent as possible, and all decisions concerning which students are funded are based upon clear assessment criteria.  

https://www.ninedtp.ac.uk/the-application-process/


解説>









見出し語:subject
定義3 d (1):something concerning which something is said or done
例:the subject of the essay(エッセイの主題)

concerning は前置詞で、ここでは concerning ~ で「~に関して/~について」。which は something を先行詞とする関係代名詞で、自身がまとめる形容詞節の内部では、concerning という前置詞の目的語として働いています。関係代名詞の節が始まるのは which からではなく、concerning から。元になっているのは、

Something is said or done concerning ~ .(~について、ある何かが言われる、または行われる)

という文。


something ←[concerning which    something is said or done]

「何かが言われるとき、あるいは行われたりするときに、その対象となるもの」
つまり
「言論の主題、あるいは行為の対象」

構造としては、

the town ←[in which    he lives](彼が住んでいる町)

と同じです。




Our studentship competition has been designed to be as open and transparent as possible

「私たちの奨学金制度の選考過程は、最大限の透明性を保つようにされています」

to be ~ は目的を表す不定詞の用法(~するために)ではなく、元になっているのは、design O to do ~(~するようにOを設計する)という第5文型(VOC)の形。上で使われているのは、この形の受動態です。


and all decisions concerning which students are funded are based upon clear assessment criteria.

①の which と異なり、この which は関係代名詞ではなく疑問詞で、concerning という前置詞の目的語となる名詞節

which students are funded(どの学生が奨学金を与えられるか)

をまとめています。この名詞節の内部では、which は「どの」という意味で students を修飾しています。concerning ~ は、ここでは「~についての」。


and all decisions ←[concerning    which students are funded] are based upon clear assessment criteria.

どの学生が奨学金を与えられるかについての全ての決定は、明確な評価基準に基づいて行われます


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