イギリスのスパイ小説作家ジョン・ル・カレ原作の映画『Tinker Tailor Soldier Spy』(邦題『裏切りのサーカス』)から。冷戦時のイギリスとソ連の諜報戦を扱った映画です。予告編はこちら。
英国諜報部に勤務する Connie は、在英ソ連大使館員の Polyakov がイギリスでスパイ活動を行っていると確信し、有力な証拠とともに、そのことを上層部に報告します。しかし、報告を受けた上司は冷たい態度で Connie の訴えを退けます。以下は、そのときの上司の Connie に対するセリフです。
『裏切りのサーカス』は、5人いる上層部のうちの1人がソ連側に通じていることを、引退した諜報部員が暴き出していく物語です。
You're to leave Polyakov alone. You're becoming obsessed with him. You're losing a sense of proportion.
Tinker Tailor Soldier Spy (00:31:47)
<解説>
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You're to leave Polyakov alone. You're becoming obsessed with him. You're losing a sense of proportion.
「be + to不定詞」は予定を表すのに使われたりしますが、主語を you にして使うと、指示や命令にもなり得ます。上の文では命令。命令の場合、相手のこれからすることを淡々と伝える感じで、もう全てが決定しているかのような、有無を言わさないニュアンスです。
a sense of proportion は「物事に対処する上でのバランス感覚」といった意味。lose a sense of proportion で「物事に対処する上でのバランス感覚を失う」つまり「客観的に考えれば本当はそれほど大事なことではないのに、そのことで思い詰めてしまう」という意味です。
「ポリヤコフのことは放っておくんだ。君は彼にこだわりすぎだな。大袈裟に考えているんだ」