前回紹介した、フランスに住むイギリス人の著者がフランスの文化を描いた本から。
タイトルの je ne sais quoi(英語に直すと I don't know what)はフランス語由来の英熟語で、「言葉では表現しがたい魅力」を表します。certain はここでは「ある種の」。je ne sais quoi は不可算名詞ですが、不定冠詞の a がつけられています。
seriousness(真剣さ)や sadness(悲しみ)といった抽象的な意味を持つ不可算名詞でも、「どんな真剣さなのか」あるいは「どんな悲しみなのか」など、特定の「種類」や「タイプ」を意識しているときには、次のように a がつけられることがあります。
He spoke with a seriousness that was unusual in him.
(Oxford Advanced Learner's Dictionary)
(彼は、普段の彼には見られない真剣さで話をした)
本のタイトルの A Certain Je Ne Sais Quoi(言葉では表現しがたいある種の魅力)に a がつけられているのも同じ理由で、certain(ある種の)がついているためです。
ちなみにこの本の副題は
The Ideal Guide to Sounding, Acting and Shrugging Like the French
(フランス人のように話したり振舞ったり肩をすくめたりするための完全ガイド)
となっていて、実際に本文にはフランス人独特の肩のすくめ方についての記述があります。以下はその一部です。
Were shrugging an Olympic sport, the French would be sure of winning the gold medal every four years. The French shrug often, and they shrug splendidly.
Charles Timoney, A Certain Je Ne Sais Quoi, p.59
<解説>
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Were shrugging an Olympic sport, the French would be sure of winning the gold medal every four years.
「were S ~」で「if S were ~」と同等の内容を表すことができます。「were S ~」の方が硬い表現。
「もし肩をすくめることがオリンピックの競技だったら、毎回金メダルを獲得できるとフランス人は確信していることでしょう」
The French shrug often, and they shrug splendidly.
「彼らは頻繁に肩をすくめ、しかも見事なやり方でそうするのです」
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