イギリスの文学批評家、文化理論家テリー・イーグルトンによる Hope without Optimism(2015年)から。現代において、現実を見つめながら希望を持つということはどのようなことなのかを考察する本です。
以下は、キリスト教が hope というものをどのように捉えているかについての記述です。be grounded in ~ で「~に基づいている」、mercy は「慈悲」。
Hope for Christian belief is grounded in God's love and mercy, and these are indeed seen as certain. They belong to what it is for God to be God.
Terry Eagleton, Hope without Optimism, p. 83
<解説>
↓
↓
↓
↓
↓
Hope for Christian belief is grounded in God's love and mercy, and these are indeed seen as certain.
「キリスト教の信仰においては、hope というものは神の愛と慈悲に基づいており、実際、神の愛と慈悲は『確実なもの』とみなされている」
They belong to what it is for God to be God.
what S is で「Sというもの」。it は形式主語で、本当の主語は for God to be God(神が神であること)。この for は不定詞の意味上の主語を示しています。
「それら(=神の愛と慈悲)は、神が神であることに属している」
↓
「(キリスト教においては)愛と慈悲は、神を神たらしめるものの一部である(とされている)」