英語の音いろ

映画、TVドラマ、洋書などの英語を、文法や構文そしてニュアンスの視点から解説します。

2019年06月


ミスター・ビーンで知られるローワン・アトキンソン主演のコメディ映画『ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬』から。


ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬 [Blu-ray]
ローワン・アトキンソン
ジェネオン・ユニバーサル
2012-12-05



以下は、イギリスのスパイである主人公イングリッシュと、その上司であるペガサスとの会話です。





Pegasus: We have a situation.

(ここで他の人が部屋に入ってくるなどして一旦会話が中断)

English:(会話を再開して)
               So, Pegasus, this situation.

Johnny English Reborn, (00:07:00)



解説>







Pegasus: We have a situation.

この situation は「状況」ではなく「問題」という意味です。

「問題が起きた」


English:(会話を再開して) So, Pegasus, this situation.

「で、その問題とは?」

日本語では「この問題」ではなく「その問題」と言うべき状況ですが、ここでは this が使われています。
英語では、相手が言った事柄について問いただす場合、よく this が使われます。



ミスター・ビーンで知られるローワン・アトキンソン主演のコメディ映画『ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬』から。


ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬 [Blu-ray]
ローワン・アトキンソン
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2012-12-05



イギリスのスパイである主人公イングリッシュは、政府から自分用の車として、最高級車であるロールスロイスを支給されます。以下は、そのロールスロイスを最初に目にしたときにイングリッシュが言うセリフです。





Truly the Rolls-Royce of automobiles.

Johnny English Reborn, (00:10:29)



解説>







Truly the Rolls-Royce of automobiles.

the Rolls-Royce of ~ は、「~のロールスロイス」つまり「~の中で最高のもの」という意味の熟語です。

この場面では実際にロールスロイスであるため、Truly(まさに)がつけられています。

「まさに『ロールスロイス』(=最高の車)だ」




ミスター・ビーンで知られるローワン・アトキンソン主演のコメディ映画『ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬』から。


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以下は、ある会議の後に、イギリス情報部の長官であるペガサスが、イギリスの外相に謝罪するセリフです。会議ではペガサスの部下が外相に重大事件の証拠物件を見せる予定でしたが、部下がその証拠を盗まれてしまったため、外相は失望しています。Foreign Secretary は「外相/外務大臣」。





I'm very sorry, Foreign Secretary. I had hoped to have more for you.

Johnny English Reborn, (00:28:31)



解説>







I'm very sorry, Foreign Secretary. I had hoped to have more for you.

「外相、申し訳ありません。進展をご報告できるかと思っていたのですが」

これは「会議が始まる前は、~できると思っていた」という意味で、過去完了が使われているのは、「会議が始まる前の状態」を表しているためです。




ミスター・ビーンで知られるローワン・アトキンソン主演のコメディ映画『ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬』から。


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以下は、イギリス人スパイである主人公のジョニーイングリッシュと、彼の部下であるタッカーとの会話です。場所は飛行機の機内。アジア系の男性アテンダントが「Susan」というネームタグを胸につけているのを不審に思ったタッカーが、上司のイングリッシュに注意を促す場面です。




Tucker:  I don't think he's a "Susan." 

English: But then you're not a linguist,
              are you, Tucker?

Johnny English Reborn, (00:09:07)



解説>







Tucker: I don't think he's a "Susan."

通常、固有名詞には a をつけませんが、この Susan は固有名詞ではなく、「Susan という名前の人」という意味で普通の名詞として使われているため、a がつけられています。

「彼が Susan(スーザン)という(女性の)名前なのはおかしいのでは?」


English: But then you're not a linguist, are you, Tucker?

この But then は前回の記事で紹介した熟語で「でも」という意味です。

「でも君は外国語に詳しいわけではないだろ?」


イングリッシュはこの後続けて
「Susan はスーザンではなく、シュジャンという中国の名前なのだ」
と説明します。

ちなみに、linguist はここでは「言語学者」ではなく、「外国語に通じている人」という意味です。


ミスター・ビーンで知られるローワン・アトキンソン主演のコメディ映画『ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬』から。


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ジェネオン・ユニバーサル
2012-12-05



以下は、イギリス情報部に復帰した主人公が、久しぶりに会った同僚のサイモンに言うセリフです。




You look wonderful. But then you always did. 

Johnny English Reborn, (00:09:07)



解説>







You look wonderful. But then you always did.

but then は「まあでも」「とは言っても」という意味の熟語です。この then には「そのとき」「そして」という意味はありません。

「君は本当に格好いいね。まあでも君はいつもそうだったが」


次のように but then の後ろに again が加わることもありますが、意味は同じです。

She was early, but then again, she always is.
(Oxford Advanced Learner's Dictionary)

「彼女は早く来ていた。まあでも彼女はいつもそうだが」



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