英語の音いろ

映画、TVドラマ、洋書などの英語を、文法や構文そしてニュアンスの視点から解説します。

2018年10月


再びハリーポッター第2作目「ハリー・ポッターと秘密の部屋」から。


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ダニエル・ラドクリフ
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
2018-03-17



主人公 Harry の通う魔法学校では、直接目を合わせるだけで殺されてしまうというモンスターが出没していました。そのモンスターの正体を突き止めようとしていたある女の子が、ある日、石のように固まった状態で見つかります。彼女は鏡を握りしめていました。以下は、なぜ彼女が手に鏡を持っていたのかについて、主人公 Harry が親友の Ron に対して言うセリフです。



I bet you anything she was using it to look around corners in case it came along.

Harry Potter and the Chamber of Secrets  (01:52:51)



<解説>







I bet you anything she was using it to look around corners in case it came along.


一見 anything と she の間は関係代名詞の省略のように見えるかもしれませんが、she was ~ の部分は完全な文になっているので、これは関係代名詞の節ではありません。

V O O (that) S V という珍しい形ですが、bet という動詞はこの形を取ることができ、Oxford Advanced Learner's Dictionary では、

She bet me £20 that I wouldn't do it.
(彼女は私を相手に、「私がそれをしない」ほうに20ポンド賭けた)

という例文が載っています。

上のセリフは、

「『彼女は、モンスターが曲がり角の向こうからやって来る場合に備えて、(モンスターと鉢合わせしないように、自分の体を晒さずに)曲がり角の先を見るために鏡を使っていた』ということに、僕は君に対して何を賭けてもいい」

つまり、

「『彼女は、モンスターが曲がり角の向こうからやって来る場合に備えて、(モンスターと鉢合わせしないように、自分の体を晒さずに曲がり角の先を見るために鏡を使っていた』ということに、僕は100パーセント確信がある」

という意味になります。



再びハリーポッター第2作目「ハリー・ポッターと秘密の部屋」から。


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以下は、前回と同様、魔法学校で主人公 Harry Potter のチームとライバル関係にあるチームのリーダー的存在である Draco Malfoy のセリフです。50年前に「秘密の部屋」のドアが開けられたことに関して、Draco の父親が Draco に語ったことについてのセリフで、文頭の He は Draco の父親を指しています。

主人公 Harry と彼の親友 Ron が、Draco のチームメイトに化けて、Draco の話の聞き手になっています。



He wouldn't tell me who opened it. Only that they were expelled.

Harry Potter and the Chamber of Secrets  (01:24:08)



<解説>







He wouldn't tell me who opened it. Only that they were expelled.

would は様々な意味で使われますが、wouldn't には「過去のある時点における拒否の意思」を表す用法があり、上の wouldn't はこの使い方です。

「父上は、誰が秘密の部屋のドアを開けたのかは俺に教えてくれようとはしなかった。開けた人物が追放されたということだけ教えてくれた」

この would の使い方は否定文でのみ可能です。肯定文で主節の動詞に would を使って「過去の特定の1つの時点における意思」を表すことはできません。


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